コロコロコミックを飾ったゲーム達

30代以上の、元コロコロ読者にはたまらないファミコンのタイトルを3本紹介。

スターフォース スターソルジャー ヘクター87

ゲームタイトル メーカー ジャンル 発売日
スターフォース ハドソン シューティングゲーム 1985年6月20日
スターソルジャー ハドソン シューティングゲーム 1986年6月13日
ヘクター87 ハドソン シューティングゲーム 1987年7月16日

昔の子供たちの情報源は?

皆さん。おはようございます。こんにちは。こんばんは。セリスです。
星と翼のパラドクス」を数回ほどプレイしました。ガンダムやガンストのように近くの敵に標準を併せるボタンや視点切り替えが無いので右往左往しました。
さて、141回目の今回は、DS.T君からの提案を受けて、少し変わった趣向でやってみようと思います。
昔は子供たちのゲーム情報の入手手段は様々で、ジャンプだったり、コロコロだったり、ファミ通だったり、ファミマガだったり、テレビ番組だったり…と、
全盛の時代には筍や松茸のように大量に生えていたもので、それに比例してあちこちのゲームメーカーから、プロゲーマーの先駆けである「名人(ぶっちゃけ大半が広報と営業)」が出てきていました。
昔は任天堂のテレビ番組や、幾つかのメーカーが共同で出てたテレビ番組が有りました。任天堂の一社提供の番組は仕方ないとしても、何故か後者に当る「ファミっ子大作戦(1986年)」~「GAME JOCKEY2(2007年)」に関しては、微妙なものしか出てこない。微妙な事しかやらない。微妙な物しか取り上げない。
当時は純粋な子供たちでも、セリスやDS.T君が大人になった今振り返り、一言で言い表すならば「見苦し…」という散々たる有り様だった覚えがあります。(華になるタイトルを紹介せず、地味な物ばかりを紹介していたからだと思うけど。)
で、もう放映はしていませんが、ファミ通がかかわっていた番組。テレビ朝日の「ゲームカタログ」時代はマシだったのですが、
テレビ東京の「GameWave」と「GAME BREAK」に関しては、「裸になったザキヤマや伊集院光が棒状のものでバンバン殴られている姿が映っていて、ゲーム画面はほとんど出てこない。」という、タイトル詐欺と言うか、ファミ通町内会を番組化した路線に移り、落胆をさせた物でした。(100人に見せて90人がそっとコントローラーを置く位)
「PCエンジン系の番組全般」や、「ダンジョンV(何でVジャンプメインなのに番組制作に集英社関わっていなかったのだろう…)」は、そこそこ頑張っていたような記憶もあるんですが…
そんな中の紙媒体。ジャンプは以前「ファミコンジャンプ」で少しだけ取り上げましたので、今回は、コロコロコミックの高橋名人ブームを築き上げたと共に、この通の言い方で言うキャラバンタイトル3本を紹介しようと思います。


スターフォース

ゲーム画面 ゲーム画面 ゲーム画面

コーエーテクモ(当時はテーカン)のアーケードゲームの移植版。縦スクロールシューティングで、自機となるファイナルスターを操作し、次々あらわれる敵を倒していく単純明快で爽快なゲーム性が、子供心をガッチリつかんだと言っても過言ではないでしょう。地上物も空中物も、ショットボタン1つでOK。
せりすけポイントとして紹介したい部分は「隠しボーナス取得などで「連射」が重要になってくる。」という点。この後の2タイトル程ではないのですが、大量に現れる敵を連射して倒して、ボーナスの破壊に成功したかしないかだけで、爽快感を得られるタイトルだったと思います。(ゼビウスは1画面に4発が限界である。」
ボーナスは多いので割愛しますが、有名どころでは「ラリオス」「ヒドン」「クレオパトラ」でしょうか。特にラリオスは1面オンリースコアアタックや、2分間スコアアタックにおいての5万点は大きい。しかし光る前に打ち込めば耐久力が上がるし、連射速度が足りないと合体パーツに押しつぶされてしまうので、一番の見所となっています。
当時の敵の動き方は、ケイブ系や彩京系に当てはまらない独特な物で、ある程度下まで来ると突如斜め上に飛んでいくもの、自機とY軸が合うと突っ込んでくるもの、破壊すると撃ち返しが発生するもの、攻撃すると分裂するもの、スコアの100の位に応じて最初に左右どちらへ動くかが決まる…など。アドリブも必要なんですが、意外とパターン性が強いので、そのパターンを如何に構築していくのかが重要。
しかも子供達でも土俵際の粘り次第では、一気に形勢逆転できるケースも多いので、判りやすい緊張感と爽快感がしっかり味わえるゲームです。
で、後に大人になってある程度整備された環境でプレイすると、子供時代の恨みを返すかの如く敵のアルゴリズムが劇的に変化し、目に見えてプレイヤーを殺しにかかってくるのも面白い。
さて、そんなスターフォースですが、アーケード版もファミコン版も連射ゲーのため、連射装置が必須と言う事が大減点対象。大会の場合は時間も短いので手連射が基本ですが、普通に攻略するとなると連射装置が必須です。
更にアーケード版とファミコン版では「クレオパトラ」の位置について、雑誌やゲーム攻略同人誌に出し方が掲載されるまでは広く知れ渡ることもありませんでした。
単純明快で多彩な敵の動きや豊富なボーナス要素がプレイヤーを楽しませてくれる名作。誰でも気軽にプレイでき、連射と知識が攻略、ひいてはハイスコアに結びつく優れたゲーム性が子供たちに与えた影響は本当に大きいと思います。
ちなみに続編でアーケードにて「ファイナルスターフォース」ってのがテクモから出ていますが、見た目で続編と分かる人はまずいないだろうと感じるほど、大きくビジュアルが変化しました。
名作の続編ということで鳴り物入りで登場したはずでしたが、大味なゲーム性になってしまい、そのうえ爽快感はない。ファンサービスのつもりであったと思われる「ジムダ」や「ラリオス」の登場も、「ジムダ」はただの背景だし、「ラリオス」は前作と同じ攻略は出来ないしで、この作品で育った子供がゲーセンで続編を見て、当時の事を懐かしむどころかガッカリさせる出来に、世界一静かな撤去という結果となり、実物を見たことがないプレイヤーも多い作品でした。


スターソルジャー

ゲーム画面 ゲーム画面 ゲーム画面

得点に関する要素が非常に豊富で、例えば連隊が画面から消えるまで次の連隊は出現しない。各面に8つ存在し出すごとに得点が多くなる隠しアイテム。ラザロ合体前撃破8万点。デライラ同時撃破で8万点……腕と知識が得点に直結する作りになっているのが特徴。
これによりファミコンゲーム業界は、スコアアタックの戦国時代に突入することになった…という人もいます。
当時、高橋名人と毛利名人が対決する映画まで出来た程です。今落ち着いた場で見ると大笑いしてしまう部分もあるんですが、本当にそれ位の戦国時代だったんです。
せりすけポイントとして紹介したい部分は「パワーアップしたから強くなったとは思うな!」です。
誰もが「は?」と思うでしょうが、多分…本人に聴いてませんが、DS.T君も同じ点をポイントとして挙げるでしょうね。
実は「最大パワーアップは広範囲攻撃が可能なだけで、前方への攻撃力が少ない。」というがあります。最大パワーアップ時に敵弾に当たると前方2発、後方1発にダウンするのですが、前方への攻撃力は最大時の2倍になります。
これが何を意味するのかと言うと、デライラ(通称目玉)が同時破壊できなくなるんですが、ラザロやスターブレインを破壊しやすくなる所です。
また、最大パワーアップ時に張られるバリアは耐久力を回復させる手段がないため、意図的に被弾してバリアを剥がし、再び張り直す戦法もある位で、まさに「パワーアップしたから強くなったとは思うな!」せりすけポイントとして紹介したいポイントです。
隠しアイテム高得点の隠しキャラや、連射が聴かないが高火力の「レーザー」(通常弾の16倍)。ボタン押しっぱなしでのオート発射が早くなる「高橋名人の指」などがあります。
で、このゲームの問題点ですが、1つ目。「やはり連射装置必須」。純粋にクリアとなると、ラザロやデライラなどの硬い敵には、指の疲労が尋常じゃありません。
そして2つ目。「誘導弾が(後のシューティングゲームと比較しても)本当に凶悪」です。どれだけ切り返しても追尾してくるうえ、軌道や速度も不安定だったり…何でファミコンでガレッガ無知識プレイみたいな仕打ちを受けないといけないのか…しのぐ方法は色々あるんですが、2周目ではその方法も一瞬で砕かれます。
で、3つ目。(これは私が一番嫌いな点なのですが)「一部の地形の裏側に隠れられるシステムがある。」です。潜っている間はプレイヤーも攻撃ができなくなり、自機の姿も見えなくなりますので、ゾーンを抜けた後。復帰後に敵の猛攻にさらされ被弾するリスクが高いのです。(特に後半。)潜り込むポイントは地形の下側と決まっているのですが、画面に明示されているわけではないので、有効活用したいのなら覚えるしかありません。
1面オンリースコアアタックや2分間スコアアタックで、これで泣かされた人も数知れず。とほほ……って思いをした人も多いと思います…(涙)
と、問題点は3つあるんですが、だからと言って問題作…という事はありません。むしろこの作品は後にも先にもスコアアタックや戦略性。シューティングの基礎はしっかりつくられていると思います。
このゲームも、後に「スターソルジャー・バニシングアース」としてアーケードとニンテンドウ64で出てますが、結構賛否の判れる出来でした。


ヘクター87

ゲーム画面 ゲーム画面 ゲーム画面

前2作と比べると、あまりに毛色が違うゲームで、難易度の高さ故に、稼ぎ以前に「まずクリアできるか」が第一目標とする子供たちが大半でした。
「本作はあくまでも『戦略シューティング』であって、敵を倒す爽快感を得る物とは違う」とは、高橋名人のコメントですが、上記2作の事を考えると、子供達には敷居が高かったと思うし、今遊んでみても本当に敷居が高いと思います。
まず、対空攻撃、対地攻撃を分けてしまった事。そして、移動速度が遅く当たり判定も大きいのに、パワーアップは一切存在しません。
残機制とライフ制を併用しているのですが、ミスすると必ずステージ最初に戻される事もあって「死んで憶えろ」を地で行くシビアなバランスとなってしまいました。
というか公式大会で唯一連射装置が容認された位敵が固いのもキツイです。そのうえ肝心のスコア要素についても、派手なボーナス得点が入るようなフィーチャーは極力抑えられ、「できるだけ敵を多く倒す」ことを最重要視したシステムとなっているため、爽快感が薄くなってしまいました。
でもこのゲームはシリーズ初の2分間モードと5分間モードが搭載され、グラフィックも87年のファミコンとしては、かなりの水準です。そして高難易度でもステージそのものは稼ぐ箇所、回復する箇所と、しっかり『戦略』しています。
なので趣旨をきちんと理解できる人であればこのゲームは名作として楽しめる。本当にコアな人しかやらないだろうという隙間を「あえて」狙った作品が、「本当に隙間産業となってしまった作品」と、言えるのかもしれませんね。
それだけ前2作のプレッシャーが大きかった…というか、「俺(僕)ハドソンシューティング感」というのが出来上がっていたのだろうと思います。


その後

1995年7月7日。この3作品を(ベタ移植という形ではありますが)スーパーファミコンでリリース。逆を言えば完全なまでにそれを再現しているのが特徴です。
しかもスーパーファミコンのスペックなら解決できるはずが、あえての処理落ちまで再現。
それでいて、音源は見事なまでに改善。
当時のスーパーファミコンとしては価格がリーズナブルで、ほぼ完全再現という意味では、かなりのお買い得ソフトといえる存在になりました。
ゲームボーイアドバンスにも出ていますので、本当にこの3作品がどれだけ当時の子供たちに影響を与えたか。
高橋名人逮捕のデマでほっとしたのは、他ならぬ名人自身と、当時の広報さんではなかろうか。冒頭に戻るが、ある意味正しい広報の姿ではあるものの、通常業務に支障が出る位の影響力であったのも事実でした。
後にドクターマシリトでお馴染の「鳥嶋和彦」さんが話していますが、「それだけよい時代であったとともに、子供たちが心を開きやすい作品であり、名人ブームは苦肉の策の部分もあったのだろうけど、ゲームプロモーションの形を作った作品」として。とても幸せな3作品として、これからも有り続ける事でしょう。
今回この企画を提案してくれたDS.T君に感謝すると共に、そのお礼として次回はまさかのタレントゲーです。
皆さん。麦茶または烏龍茶を用意してお待ちくださいね!それでは~。


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