Zの鼓動が聞こえない
もう古い話にもなった事ですし、でもその事実を風化させてもいけないと思い、この記事を載せようと思います。いつかまた、同じ問題がというか近い問題も起きてたことですし。
現在のガンダムvsシリーズは、エクストリームVSで、秋には新作も予定されております。そのガンダムvsシリーズで、かつて「機動戦士Zガンダム エゥーゴvs.ティターンズ」というタイトルがありました。
当時は「機動戦士ガンダム連邦vs.ジオンDX」が、まさかまさかのVF2ブームの再来と言われ、慌ててこれを入れる為だけにビデオゲームを復活させた店舗もありました。
ところがある日、信じられないニュースがオペレーターに発表されました。プレイステーション2にて「機動戦士Zガンダム エゥーゴvs.ティターンズ」を12月4日に発売。ネット対応で4人まで同時プレイ可能。
今でも鉄拳7が散々な状態だったりbeatmania2DXのPC版がそこそこ評判良かったり、バーチャが結局家庭用の方が盛り上がってるetc…結果現状のビデオゲームの状態及び、MJ,ファイトクラブやボーダーブレイクなどの系統まで撤去と言う大惨事になっており、ますます訳が分からない状態になっています。そうです。ゲームセンターに行く必要がなくなると、ゲームセンターにしてはビデオゲームを撤去せざるを得ないのです。今の鉄拳7の家庭用とアーケードの格差を観ればその通り。原田さんとか鉄拳開発陣が生放送で信じられない話をしておりましたっけ。会社が違うから口出しできない。正直これ、他の業界からすればゲーム業界程頭がおかしい業界は無いという方もいらっしゃいますし、物作り企業として頭がおかしい発言。僕はバカですと宣言してる世界です。
当時のZガンダムの場合ですと、9月下旬発売の5000本と12月中旬発売の受注生産分がある事です。つまり、12月中旬分の入荷は家庭用の発売より遅くなるのです。勿論、受注の際には12月に家庭用が発売される事は一切知らされていませんでした。
次に支払方法です。その時は全て前払い制になっている事です。アーケード業界では、手形や締め払い等の後払いが普通でした。今回の場合は9月発売分も12月発売分も8月末や9月頭の支払いになっていたのです。で、金額が1セット180万円にもなる基板でしたので、流通業者もオペレーターに対して現金払いを申し込んだそうです。つまり、12月分の支払いは3ヶ月半は先払い。しかもこの条件が提示されたのは、締め切りの2週間前でした。つまり、2週間以内に現金で180万円用意しろ…
9月発売分には他のゲームが抱き合わせでした(タイトル秘す)。一部、抱き合わせ販売がされていない場合もありますが、普通の流通から購入する場合は、60万から90万円の筐体等を購入しなければ手に入れる事が出来ないのです。つまり、9月発売分を1セット購入する為には、250万円前後のお金が必要。
当時のカプコンの言い分としては、家庭用の売上げが奮わず、使用基板(システム246)を製作しているナムコに支払うお金が無かった…とのことでした。
アーケード業界は、売り手市場でした。なぜなら当時、実際に9月発売分は買い手のほとんどがSEGAやナムコ。カプコンのメーカー直営店にまわされて、それ以外の流通業者やオペレーターは4台分払ったのに2台しか来なかったりとかしました。つまり、一番の顧客は、メーカーなのです。実際、この業界では「独占禁止法」で禁止されている「セット販売」も未だに行われています。ゆえに人気のゲームを買うために、その裏でゲーム価格以上の金が動くのです。
業界のタブーと言ってもいいほどの出来事が津波のように前後日に起こるわけですが、当時大型化が進み不況に喘ぐ中小ロケには大変厳しい条件でした。当然、毎月の支払いがある中で2週間以内に現金180万円を用意するのは並みの事ではありません。中には消費者金融に走った所やこのやり方が気に入らないという事で、ビデオゲームを全撤去した店も出てました。
家庭用の発売や、家庭用の優先はどうしようもない事です。しかし、ルール違反とも言える出来事の連続に加え、12月分より先の家庭用の発売。「怒髪、天を突く」とは正にこの事です。「自分達が先払いしたお金で作ったのでは?」と言われても仕方がない事だと思います。
12月分を購入したオペレーターの大半は、初回分を購入できなかった中小個人の流通やオペレーターです。現金180万円を2週間以内は、非常に大きな負担になったはずです。例として1プレイ50円のゲームセンターでは、お客さんに36,000回プレイしてもらってやっと+-0にできる金額です。
メーカーの販売体制もメーカーロケも年々酷くなっていきます。それどころか、今は当時よりも更に悪くなっています。
以前セリスはSEGAロケの人にツイッターで色々言われましたが、今、SEGAで働いている役員社員アルバイトに至るまで。亡き大川会長が何を思いセガに私財を提供したのか、考えた事があるのでしょうか。SEGAの社名の由来である「サービスゲーム」の意味とは。
弱者が強者に意見を伝えるには、SNSや動画サイトで訴えるしかないのでしょうか。