CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000(PRO)
CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001
SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS

また会うために、ブッ潰す!

ゲームタイトル メーカー ジャンル コメント
CAPCOM VS. SNK
MILLENNIUM FIGHT 2000(PRO)
CAPCOM / SNK 対戦格闘 夢の戦いが、今ここに。
CAPCOM VS. SNK 2
MILLIONAIRE FIGHTING 2001
CAPCOM / SNK 対戦格闘 エンターテインメント重視の
クロスオーバー作品
SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS SNK 対戦格闘 コアにコアに掘り下げた
クロスオーバー作品

夢の祭典が、今、幕を開ける。

ストリートファイターシリーズが代表作の[CAPCOM]
KOFシリーズが代表作の[SNK]
ゲーメストの記事の縁や、両社の縁がきっかけで、メーカー間のvsシリーズとして、非常に注目を浴びた作品です。

両社にて「SNK VS. CAPCOM」の公式サイトがそれぞれ立ち上げられ、両社が発売した作品は互いに連動も行われていました。1994年から本格的に火が点きだした格闘ゲームブームの総決算となる全三作品とも言えるでしょう。

ネオジオポケット版のカードゲーム「激突カードファイターズ」。同じくネオジオポケット版の格闘ゲーム「頂上決戦 最強ファイターズ」がSNKよりリリースされ、アーケード版(NAOMI)でCAPCOMリリース。その後MVS(NEOGEO)にてSNKからリリースされました。


「CAPCOM VS. SNK MILLENNIUM FIGHT 2000(PRO)」リリース

 

西暦2000年、マスターズ財団とガルシア財団が共同出資した世界規模の異種格闘大会が開催されたというストーリー。ですが初の試みという事も手伝い、システムについては慎重さがうかがえました。空中ガードやガードキャンセルなどを敢えて採用せず、システムをシンプルにしました。

その代りに[CAPCOM]と[SNK]という二つのシステムを用意し、攻撃を当ててゲージをためる方かボタンを押してゲージをためる(体力ゲージが少ない時には超必殺技がパワーアップ)と選べました。肝心のボタンについては4ボタンで、SNK側への配慮が見られます。
また、キャラクターについては、レシオという物が割り振られ、レシオ合計が4になるようチームを編成できる。

強いキャラ(正確には各メーカーのボスキャラ)ほどレシオが高いが、戦う人数は必然的に減ってしまう。
レシオ1×4人やレシオ4×1人といった組み合わせも可能。
しかし、圧倒的な物量という問題が手伝い、CAPCOMサイドのグラフィックは過去作の流用であったり、4ボタンという事でCAPCOM側のキャラに難が出たり…

…と言った厳しい現実を、メーカーもプレイヤーも改めて実感したゲームでした。後にダンとジョー東を追加した、PROというバージョンが稼働しております。


エンターテインメントにした「CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001」

 

第一弾で難しい課題を突き付けられた、「CAPCOM VS. SNK」。これは私の予想であるが、最初から「CAPCOM VS. SNK 2」を出す想定で居たのかもしれません。システム・キャラクターを大量に追加して、ボスキャラクターを含めた全48キャラが登場。

圧倒的なボリュームで発表されたこの作品。ずっとそれぞれのファンが語られていた、CAPCOMのゲームの良さ。SNKのゲームの良さ。まさにストリートファイターZERO3で存在した、俺-ISMが、その課題の答えとなりました。

「オリコン大好き!」っていう人も「シンプルにスパ2Xや龍虎のシステムで戦いたい!」という人も…ここまで違う物がそれぞれ混在しあって争えるというのは、プレイヤーでもメーカーでもめったにないチャンスだったと思います。まさに「ストリートファイターX」に当る作品「THE KING OF FIGHTERS X」と呼ぶにふさわしい出来でした。

豊富なキャラクターの組み合わせ×グルーヴ×レシオ配分という自由度の高さは、後にも先にもコレだけですし、試行錯誤もかなり楽しめます。発売から15年以上たち、今でこそ大分煮詰まっているのですが、ガチ対戦にもパーティプレイにも向くゲームとなりました。


深い所を掘り下げた「SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS」

 

2年後。SNK(当時はプレイモア)より、ネオジオ作品として「SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS」をリリース。様々な事情があり、2年と言う空白があった事もあり、CAPCOM側とは大きく一線を画しています。

あえてKOFのようなチームバトルにせず、1vs1というシステムで、キャラクターからコアに引き下げました。 一発逆転という物を意識した「EXCEED」等の挑戦も見受けられましたが、やはりCAPCOMの時と同じで

圧倒的な物量や、落とし込めなかったキャラクター調整など。特にタメ技が出にくいという操作性に置いては厳しい意見が寄せられました。


VSシリーズの難しさとは。

まずこの企画が成立した理由としては、ゲーメストが廃刊し、格闘ゲームが音楽ゲームに押された時代。
従来のファンや、プレイヤー上がりの開発者や、スキルの整った開発者が極まった時代。ユーザー・オペレーター・メーカーを組み入れた。という時代背景と、思い入れと、スキル。
全てのバランスが揃わなかったら、絶対に出なかった作品ではないでしょうか。
しかし、vs物の難しさという物を突き付けられた作品でもありました。

例として挙げると…
●元々完成されていたインターフェイスを別の場所に移し替えて整える事のむずかしさ。
●他社で完成されたキャラクターを扱う事のむずかしさ。
●膨大なキャラクターやシステムがあっても、実際に使われるのは一部だけ。
●圧倒的物量の前にどうしても練り込み不足や調整不足や荒削り。思わぬバケツの穴が産まれる。
等。細かい所も含めてしまうと、課題が幾つもあります。

その中でキャラクターの数については現在だとSNK作品のKOFとCAPCOMのウルトラストリートファイター4が一番多い所ではあるのですが、やはりまとまりという土台においては、未だに厳しい課題が突きつけられている状態です。しかし、クロスオーバーだからこそ、判り易い形で。エンターテインメントとしては非常に良い三作品だと思います。

今、CAPCOMから[NEO-G氏]がSNKに移籍しており、本当の意味でのエンターテインメント格闘ゲームの完成形や、[CAPCOM VS. SNK]のネシカでの復活や、新たな観点でのリリースを望みたい。という所で、この記事を終わりにしようと思います。


ゲストコラム

こちらでははじめまして。セリス氏とは長い付き合いのDS.Tです。
さて、この3本のタイトルについて、ちょっと語ってください。とのことだったので、さて。どうしたものか。

セリス氏も話していますが、僕もこれはお祭りソフトだと思ってます。
格闘ゲームブームに、会社も違えばプラットフォームが異なってたゲームのキャラが、同じゲーム機で一同に関するというのは嬉しかったですね。
テリーが。リュウが。同じ作品で戦うというのはありえるのか。という思いだったので。
SNKとCAPCOMというメーカーが出す場合は、出す側のメーカーが先にタイトルになりましたが、中身のシステムもメーカー独特の差があり、良し悪しはあれど、個人的には毎回が楽しみなお祭りソフトでした。
やっぱり、システム面でCAPCOMとSNKでの代表的ゲーム(スト2や餓狼伝説など)の仕組みが組み込まれてたのも印象深いのですが。

タイトルの先頭に来る作品で異なる中身だったのも印象深く、「CAPCOM VS. SNK」はコスト内で編成する「チーム」戦だったのに対し、「SNK VS. CAPCOM」は1vs1の1キャラを選んで戦う形式だったのが印象深ったです。
一般的にはアーケードやコンシューマーが有名かもしれませんが、ネオジオポケット(当時販売されていた携帯ゲーム機)でも出ていたのですが、CAPCOMサイドはありませんでした。それでも、ネオジオポケット版はネオジオポケット版で個人的には楽しかったですが。
ネオジオポケット版では格闘ゲームではなく、カードゲームタイプのも存在してましたが、やはり格闘ゲームの方が好みでした。

色々な評価や感想があるとは思いますが、個人的には、この作品の存在は大きいと思ってます。

(DS.T)


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