プライズゲームのシンデレラ達

元ゲーセン店員として最近思うことを。


歴史自体はビデオゲームより古い。

最近は以前よりもプライズゲームを見かけることが多くなりました。簡単に言えば『上手に遊べば手もとに残る「景品」が貰えるゲーム機』として、皆さんもご存知だと思いますし、「UFOキャッチャー」を代表とする、クレーンゲーム機など景品がもらえるゲーム機全般を指します。
(UFOキャッチャーと皆さんよく呼んでますが、UFOキャッチャーはSEGAの商標なので、クレーンゲームが正式名称です。)
これがロングランヒットしている理由としては、大昔は飴玉何かが中心でしたが、機械の改良がおこなわれ、少しずつ大きなフィールドになり、それと共にアームも大小種類豊富となっていき、景品も「ぬいぐるみ」、「雑貨」、「年々質が向上しているキャラクターフィギュア」、「オーディオ製品」。後半に写真を載せますが「パーティ菓子」「アイスクリーム」等。様々な種類の景品が出るようになりました。
尚、「遊技の結果に応じて賞品を提供してはならないという記載が、ゲームセンター(風俗営業8号店)の風俗営業法第23条第2項に記載されていますが
遊技の結果が物品により表示される遊技の用に供するクレーン式遊技機等の遊技設備により客に遊技をさせる営業を営むものは、その営業に関し、クレーンで釣り上げる等した物品で小売価格が概ね800円以下のものを提供する場合については第23条第2項に規定する遊技の結果に応じて賞品を提供することには当たらない。
となっており、今ですと金額は少し上がったりしてはいると思いますが基本的に高額商品(ゲーム機とか)が入っているものや、アダルトグッズやアダルトビデオ何かは、レッドカード対象です。


店員の頃の思い出

私が柏やタイトーにいた頃はそれはそれはビデオゲームや音楽ゲームは罪人の扱いで、しょんぼりしながら景品を入れ替えたり横目で見たりしました。
確か柏の時は店長の奥さんがディズニーが大好きで、丁度景品の質向上第2期(自分が勝手にそう呼んでる)真っただ中の頃でした。
大体20台くらいあったプライズ機の九割方がプーさん景品という最早プーさん村状態になってしまっていて、私が入れ替える時は必ずそれ以外にして品揃えを調整しました。
そうのこうのしてるうちに、写真のような大型クレーンゲームが入荷されたのですが、インカムがプールされるまで景品が取れにくい状態を保持する確率機でして、持ち上げる際の握力と、動かすときの握力が違うので、心底驚いたと共にガッカリしたモノでした。この確立機の要素が一般的なクレーンゲームに搭載されたあたりから、いよいよもって秋葉原での転売が壮絶なものとなっていきます。
やがてクレーンゲームオンリー店が毎年細々と出始めてきて、一時はバーチャバブルや音ゲーバブル。ダービーオーナーズクラブバブルの再来とまで言われましたし、
クレーンゲームの攻略サイトが出てこよう物なら、即マークされ、対策までされるという壮絶な状況でした。
もちろん、こんなバブリーな状態が長くつづくわけもなく、クレーンゲームのインカムにも、徐々にかげりが見え始めます。
まさに今も続いている「どこに行っても同じ品揃え」で「そこに対戦格闘ゲーム全盛の頃の回転率と高難易度化」を打ち出したため、全国的にひっちゃかめっちゃかな状態…というのが現状です。
それなのにプライズの調整が下手な子に一台任せますと、今のクレーンゲームはどの機種も確立機の要素が入っていますので、とりあえず景品が取り難い設定でひとまず運営を開始し、客付を見てある程度インカムが回収できた段階で、はじめて誰かがまともな調整にするという状態。
こんな大味な調整を賞味期限がある食品関係でも平気でやるから、けしからんたらありゃしない。ラウンドワン!セガ!バンダイナムコ!貴様らの事だ!(笑)
事実、過剰な在庫を抱えて、その後会社の不祥事がとどめを刺して、アーバンスクエアやジョイプラザを運営していたアリサカは倒産しましたし、
フウキグループは景品の売り上げを荒稼ぎするために違法景品だか何だかでロケが全部強制閉店され、生きているのかいないのかわかりません。(笑)
秋葉原にあるエターナルアミューズメントタワーも、ラブライブの海賊版景品を扱い、閉店寸前まで追い詰められました。
こんなろくでもないことをやると客をつぶしてブームも潰すのはビデオゲームやマージャンゲーや音ゲーやプリクラで嫌というほど味わっているはずなのに、喉元過ぎればの精神。もはや感動の領域です。


インチキ臭い印象を与えないためには…?

ゲームセンター柏ガリバーの店長に聴いたところ、最近はその自分たちの設定力のなさを棚に上げて、お客様が5,000円~10,000円以上使って一つも取れないでいる時には、(他の業務を全部後回しにしてでも)そのお客様につきっきりになれ。とマニュアルに記載があるそうです。
ちなみに私は以前、千葉レジャーランド野田店で確立機のクレーンゲームに入っていた、コカコーラのデザインのヘッドフォンが、10,000円を使っても取れなかったので、店員を問い詰めたこともあります。
こんな状況があちこちで起きてしまえば、インチキくさい印象や、絶対取れない設定という印象を与えかねません。
そもそも私のようなマルチゲームプレイヤーや私の知り合いの方何かは、「解放台」「普通台」「勝負台」という風に分けて考えます。
お菓子なんて賞味期限があるんですし、二木の菓子あたりで買ってきてそのまま放り込めば誰かが2.3回やっただけでもうモトが取れるので激アマにします。わかってるか?梅雨なのに冬のくちどけポッキー(パーティ用)を写真の置き方してた渋谷セガ。(笑)もうさっさと取らせて次の景品入れろよ。
で、店の立地にもよるんですが、「普通台」「勝負台」はマニアが集まる場合はフィギュアを。家族連れメインの場合はぬいぐるみが該当します。「雑貨」「オーディオ景品」「ゲーム機などのプチ家電」何かは客層問わず一律普通設定です。
さて、ここまでは「時の楽園」に来ている人ならだれでもわかるような基礎の部分。で、実際にプライズゲームがオペレーターに好評な理由である、装飾の話に入ります。
実際皆さんが見ている装飾は、最近だと機械を導入したときにある程度ついていたりしますが、足りない部分はホームセンターや100円ショップなんかで買ったりします。装飾に力を入れすぎても、今度は箱庭になってしまって景品がしょぼく見えてしまいますので、景品に見た目で勝たないようにしないといけません。
それが終わったらポップの作成です。私が店員の頃は「景品の紹介」だけでなく、例えば「雑貨」や「オーディオ」、「家電」何かは「実際に使ってレビュー」したりしましたし、私がほかに見たことがある例ですと、前日なり週間なりで売り上げ上位5位の景品には少し大きめのポップを遠くからでも目立つように、筐体の上の方につけたりしました。
設定については、アームの置き方さえ間違えなければ景品が少しでも穴に動くように心がけましょう。セガ系やバンナムのロケでよく見る三枚目の写真のような置き方やフィールド。そして穴寄りのアームを強くした設定ですと、構造も手伝って、元の位置に戻ってばっかり。非常に取れにくいので、かなりインチキ臭くなってしまいます。ちなみに写真のポッキー。2,000円使って取れませんでした。延々戻るだけ。これじゃだめです。
で、プライズコーナー担当は常時巡回をして、常時置きなおしをしてください。要するにコアタイムに1階プライズコーナーに1人しかいなかった秋葉原セガ1号店は論外です。インカム上昇のチャンスを逃してしまいかねません。
(この整理整頓や置きなおしはプライズに限ったことじゃないんですがね…各コーナー。各フロアに1人2人は常駐させろっつーの…。)


教訓:プライズ機が駄目なお店は、それ以外のゲームもダメと思え!

私が働いたタイトーのロケは亀有駅の目の前のイトートーカド―にありました。なのでプライズ機は非常に重要でしたし、反面教師で覚えた部分はたくさんあります。
とにかくプライズ機っていうのは、スタッフのプライズ機自体のスキルと、何よりやる気がなければ一気にぼろが出るので、バブリーな考え方や、売り上げだけでしか判断できない人がいたり、プライズ機が下手な人や調整がへたっぴな人がいると全く機能しなくなります。だからこそタイトー時代の時は掃除、置きなおし、ペイアウトチェック(取れすぎてたら絞ったり、あえてそのままにしてみたり、逆に最強にして在庫を捌いたり、タイムサービスをしたり等)は欠かさず行っておりました。
私の周りだと音ゲーマーの方が特に多いので、音ゲーマーの皆さんは、未開の地や初めてのロケに行くときは、お手洗いとプライズ機を必ずチェックしましょう。
お手洗いが綺麗なのは当然のことですが、プライズ機でお客さんが店員さんを呼ばずとも、すばやい動作で「置きなおし」や「手直し」「掃除」。短時間で「入れ替え」をしていれば、そこはかなり期待ができるお店ですよ。


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