THE KING OF FIGHTERS

3人1組のチーム制によるオ得感。その反面システムの変化は大きい

ゲームタイトル メーカー ジャンル コメント
THE KING OF FIGHTERS SNK 格闘 今だからこそ1から見直すべき

ドリームマッチの原点

同社を代表する格闘ゲームである、『餓狼伝説』や『龍虎の拳』といった、看板タイトルのキャラクターがプレイヤーキャラとして登場する、MVSにて長期にわたって稼働した格闘ゲームの第一弾である。
とはいう物の、元々は全然別のプロジェクトとして進んでいた作品で、キャラ数が増えた結果「で、あれば餓狼伝説や龍虎の拳のキャラを使おう」というのが、この作品が産まれた理由と言うのが本来という説もある。


MVSの普及力と、夏休み稼働による定収入

第一作目こそ8月の末と言う稼働であったが、当時、餓狼伝説SPECIALで勢いがついていたMVS基板とロムは、低価格帯で購入が出来た事。
MVS筐体自体もNEO-19に代表される小型筐体(幅520x奥行646x高さ1340mm)がリース向けにも多く出回っていたことも手伝い、中小の流通リース会社にはコストに見合う定収入源となり、毎作品が夏休み中に稼働する形となったのである。
子供たちにとっては少ないお小遣いで2回まで失敗が出来るので、従来の格闘ゲームのように早期で終わることが無かったのは嬉しいだろう。


餓狼伝説をベースとした初期作品。攻めを主体とした中期以降の作品。

第一作目と第二作目は、餓狼伝説と龍虎の拳をベースとしている。
「ライン移動」は「攻撃避け(A+B同時押しで、投げ以外に対し一時全身無敵)」に。
ラインぶっ飛ばし攻撃は、画面端ぶっ飛ばし攻撃(C+D同時押し。空中可能)
そして、A+B+C同時押しで気力ゲージ溜め(ゲージが溜まると攻撃力が上がったり、超必殺技が撃てたりする)
という形で上手に肉付けされていた。
ただ、気力ゲージは相手の攻撃を受けて溜まった方が持続時間も長かったため、94.95.96.97(EXTRA).98(EXTRA)はダウン中に挑発をして相手のゲージを減らしつつ攻めていく駆け引きも重要である。
96以降はA+Bは前転と後転に変わったので、投げにも対抗できるようになっただけでなく、攻めると見せかけて後転で下がったり、前転で裏に回ったりという攻めの変化。
97からは攻撃をすると気力ゲージが溜り、A+B+C(一部B+C)で気力解放。更に気力が残っていればMAX技…作品一作一作ごとに目まぐるしく変わるという難はあったものの、その作品の見せ処を引き立たせるシステムと言えるであろう。


ストーリーの魅せ方や息をしているキャラクターが与えた大きさ。

SNKのゲームは、餓狼伝説、龍虎の拳、サムライスピリッツ、月華の剣士
…と、作品ごとにキャラクターの設定をキッチリとしており、アニメや漫画、ライトノベル、同人、コスプレなど、ユーザーが動きやすい作品作りを意識していた。
興行的には失敗と言われているアニメの作品だが、SNKの目指す路線、方向性。いわゆる、格闘ゲームに縛られない格闘ゲームと言う方向性には実に噛み合っており、その後の色々なゲームに魅せ方という点で与えた影響力は大きいであろう。
(ジャンプ・マガジン・サンデーの人気タイトルは何処のメーカーも意識していたが、SNKは早い内から力を入れていたように思う)
ギルティ・ギアや、ブレイブルー、鉄拳などに与えた影響はとても大きなものだと私は思う。


やや操作性に難があるのと、あからさまな修正ミス(漏れ)が大減点対象

技入力が異様に出にくかったり(94.96.2002)、某キャラクターのしゃがみBガード不能や、画面端からの無慈悲な飛び道具連射など。笑えつつもゲームの寿命には深刻な修正ミスも多く
強制リセットならともかく(ともかくという言い方も何だが)ゲームがフリーズするタスクオーバー系は96から目立ち始め、MVS基板の寿命も感じさせていた。
また、キャラクター数が多すぎるゲームの共通課題として、纏まらない。という部分は今でも解決はされておらず
名作と言われる98でも詰んでいる組み合わせがあったり、一方的な試合展開なども多く。ゲーム開発者、プレイヤー共にキャラクターが増える事による、纏め方の難しさという構造的問題も見えてきた作品だと思う。


「KOFとは何か」を考える事が、KOF復活のカギ

今SNKは再びゲームへのウエイトを大きくしている。会社的都合もあるのだろうが、NEO-G氏(ストZEROシリーズ,スト3シリーズ)がSNKに移った事でもあるので、ここで今のKOFスタッフはNEO-G氏を見習い
・KOFとは何か
・家庭用とは何か
・携帯用とは何か
・アーケードとは何か
様々な事をもう一度見直しながら、才能を育てる。人を育てる。という事が必要なことだと思う。
KOFは周りを気にしすぎたあまり、他タイトルを枯渇させたり、リセットすべき時にリセットしなかったり、兵力を考えないからKOF12が出てしまったりと色々と問題も起こしていた。
確かに餓狼伝説SPECIAL以降のネオジオ格闘ゲームは計算違いな所も大きいのだが
何故ネオジオブームが餓狼伝説SPECIALで起きたのか。たまたまKOFが当たったのではなく、何故来たのかという原点から考えて、1から見直していけば、KOFの人気は再燃出来るはずです。


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