Romancing Sa・Ga

ゲーム作りの難しさ。新しいものを生み出すことの難しさ。ハードの制約。当時子供の自分が新しい事を始めることの難しさを学んだ1作です。

オープニング タイトル デステニィストーン

ゲームタイトル メーカー ハード 発売日
Romancing Sa・Ga SQUARE ENIX スーパーファミコン 1992年1月28日

出て来い!新しい最強RPG…の、第一歩。

みなさんおはようございます。こんにちは。こんばんは。セリスです。

今回はコチラ。『Romancing Sa・Ga』(以下ロマサガ)。この作品は当時、スーパーファミコンが出て2年目の、少しずつ作品の出来が安定したころのリリースでした。
スーパーファミコンのゲームはチェックサムで整合性を取っているのですが、非常にセーブデータが破損しやすいのは、方々のサイトで触れられている通り。
また、作りかけのイベントや、フラグ管理が時々おかしくなったり、戦闘回数と連動しているためか、かなりのユーザーを困惑させるだけでなく、仕様か不具合かもはっきりしない箇所も多数あり。せりすけ少年はゲーム開発の難しさをこの一作から学びました。
しかし当時はドラゴンクエスト・ファイナルファンタジーと固まっている中で、新しい物を作ろうという意欲的な部分も多く、サガシリーズだけでなく、これからのRPGの新しい方向性を示すタイトルだったとも言えるのかもしれません。


ロマサガはここが新しい!!

キャラクター男 キャラクター女 職業選択

ききうで選択 ワールドマップ フィールド

シナリオ・システムの両面でプレイヤーの選択の自由度が高い所が当時画期的でした。自由度の高さゆえに、プレイヤーひとりひとり、それぞれ異なった順番でストーリーが進行していく形になっています。大枠のストーリーは変わりませんが、冒険のきっかけとなる話と、エンディングの部分は8人共別々です。
また下段二枚目にある通り移動範囲は非常に大きくなっているので、地域ごとに地図を持っていないと移動可能にはなりません。特定のキャラを仲間にしたりして地図を教えてもらえば、キャラによっては序盤からあちこち移動できます。では、新しい街に行くには?というと、街の人から話を聴いたりパブから情報を得たり、仕事の依頼を引き受けることで、地図に新しい地域やダンジョンが書き足される構造をとっています。なのでキャラクターによっては序盤から準最高レベルの武器や防具が「頑張れば」購入可能だったりします。(例:アルツールの町で期間限定販売されているアイスソード)

シンボルエンカウント 戦闘シーン1 戦闘シーン2

戦闘は1枚目の通り、シンボルエンカウント方式を取ってます。写真の場合2種類ですが、鬼、悪魔、骸骨、虫、植物、魚、トカゲなどの種族分けがされており、種族シンボルによって移動する速度も戦うモンスターの中身も異なります。
また2枚目の写真の通り、隊列が視覚化されていています。こちらは3×3の合計9マスに最大6人のキャラを配置し、シンボルにタッチした(シンボルにタッチされた)方向から見た体系に応じて配列が変化します。これによって正面火力は強いが側面と後方が無防備な編成や、正面火力を落としても側面までカバーしやすい編成、L字に編成をして側面時のロスを減らす等、プレイヤーの好みに合った編成が可能です。
キャラクターが装備する武器には射程があり、剣や斧は前列で近接する敵のみ攻撃可能ですが、槍は1列先の敵を、弓など遠距離対応の武器は後列でも全ての敵を攻撃可能。また戦闘中に前進や後退が可能となっており、そういった点でも戦略性がある。ただ、早解き等になると遠距離攻撃できる技や術(魔法・必殺技)の価値が相対的に高くなるようになっています。
こういった諸々のシステムからか。移動中にLまたはRを押すことでキャラの向きを固定したままの移動が可能です。
またロマサガシリーズは1回1回の戦闘の比重が非常に大きいです。というのも戦闘回数の増加によって時間の経過を表現しており、戦闘回数が一定に達することで一部のイベントの発生あるいは終了が決まる方式になってます。よってうっかり八兵衛張りに何も考えずに戦闘だけを消化(逃げるを含めて)してしまうといつのまにか邪神の復活間際まで時間が進んでしまう…なんてことも往々にあります。
なので多くイベントをクリアしたいのなら、イベントが終了しないよう戦闘回数は適度に抑えなければならないと共に、戦闘回数が増加すると通常モンスターはだんだんと強くなっていくので、序盤から雑魚との戦闘を沢山こなしてキャラを成長させて、ゲームを楽に進めるという方法はそう簡単には出来ません。
逆を言えば敵の強さは戦う地域によって決まるのではなく、戦う時期によって決まるということなので、世界各地をどのタイミングで回っても敵が弱すぎ、または強すぎるといったことがないように調整されている形になります。固定のシンボルエンカウントはキツイとしても、意図的に弱く進める事も可能と言えば可能です。


しっかりと構築された世界観。

イベント1 イベント2 イベント3

なんですが、膨大な仕事量で放棄されたと感じてしまうイベントやダンジョンも多々あり、思わせぶりなくせに実は何もなかったという肩透かしも見受けられます。
とは言え、元来サガシリーズはゲームボーイ時代から世界観の作りこみはしっかりとしていたので、スーパーファミコンに変わってからは更に緻密に作られております。


消化不良が多いのが2度のリメイクに繋がった。

イベント4 イベント5 イベント6

ここで紹介する部分が、以前このページで書いた怒り狂った部分だったりするのですが…
とかくフラグ関連のミスはまだしも、膨大なデーターを管理している弊害が大きく、特にバトル関連。バトルの回数に絡んだバグ。
そして初のフリーシナリオゆえの最大の問題「自由度が高すぎて、次にどうすればいいのかわからない」等。ゲームバランスも含めてかなり消化不良でした。
イベントやマップについては熱心に街の探索や聞き込みなどを行わないと、フラグが発生したのかが判り難いうえに、どうすればイベントが正確なクリアとなるのかもわかりにくい。また戦闘回数がイベント発生条件になるイベントもあるので、むやみやたらに敵を避けまくっていると本当にイベントが発生しなくなる場合もあります。
また、前項でも触れた通り、仲間を加えないと移動できる場所が増えないのですが、仲間が何処のパブにいるかは現在の戦闘回数で決まっており、またどこのパブだと仲間が得やすいかも偏っているため、イベントを発生させるために船に乗ったりしながら世界中をぐるぐる回り、何かフラグ待ちという状況に陥りやすいです。
また「この世界は金が総て」と言わんばかりに金が物を言うくせにエンカウントでは金が殆ど得られず、かと言って迂闊に宝箱を開けたりすると所持上限の9999をオーバーする事も中盤以降はしょっちゅう。オーバーした分は消えてしまうので、店で何かアイテムを売却して「ジュエル(金1万の価値)」に換金するか、適度に高価なアイテムを購入して所持金を減らすことになります。また武器や防具は全体的に異様に高価なので、買い物の際もドキドキハラハラです。


今からやるなら『Minstrel Song -Romancing Sa・Ga-(PS2)』

イベント7 イベント8 イベント9

多くの不満から、後にスタッフが新たに結成されて、携帯ゲーム機ワンダースワンで1回目のリメイクがなされますが、そこでようやく方向性が見えて、ひとまずは完成しました万歳!という所でした。そして13年後。総てが大幅に作り替えられ、設定が修正・完成され、多くの課題を抱えていた戦闘関係の部分が解決され、『Minstrel Song -Romancing Sa・Ga-(PS2・PS3ゲームアーカイブス)』がリリースされました。ハードの制約と言う部分でまた細かいバグや問題に当たっていますが、今遊ぶなら、ゲームアーカイブス版でしょう。
ただ今回これを執筆するにあたりプレイしなおすのですが、やはり第1作が故に実験・実験的な要素が強い(と、個人的には思う)作品なので、SFC版も、PS2版も、人は選ぶかもしれません。でも決して損はしない、せりフリで残しておくに相応しいタイトルであることは確かだと、判っていただけると思います。

というわけで、最後はYouTubeで見つけたPS2版のタイトルを観ながらお別れです。ではでは~


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