Rock'n MEGASESSION

「インターフェイスは大事だよ。」っていうお話。

タイトル

ゲームタイトル メーカー 使用基板 稼働日
Rock'n MEGASESSION JALECO 1999年12月

10連休が終わりました。

みなさんおはようございます。こんにちは。こんばんは。セリスです。
10連休が終わりました。サービス業の従業員さんや、テレビの向こう側の人たちから「ザマァ」という負の感情がひしひしと伝わってきてる日々。皆様いかがお過ごしでしょうか。え?みずほ銀行?ほら、死人に鞭打つんじゃありません。
かくいう私はこれと言って何があるわけでもなく。家を掃除した際に手がハウスダストとダニに喰われて被れた以外は、バーチャを数か月ぶりにやったらすっかり動けなくなって10連敗した程度で、鉄拳などとっくの昔に忘れ去り、さて次は何をやろうかなぁと思ってる次第です。
そんな中次のせりすけフリークをどうしようかと、YouTubeやらなにやらを漁っていたら出てきたのが、今回紹介する

『Rock'n MEGASESSION』です。






これは第一次音ゲーブームの時にJALECOが出したゲームのひとつでした。
その時JALECOが出した音ゲーはいくつかあるんですが、なんというか出すゲーム出すゲームみんなどこかしこに負の要素を抱えて、コアなJALECOファンも「これは駄目そうだ…」と思ったら、案の定みんな駄目だったという散々な出来でした。
例えば「VJ(VJ DASH)」は、「ビートマニア」のように音楽だけでなく、映像も操作します。音のボタンが3つ。映像のボタンが3つ+ハンドル。タイミング良くボタンを押したりハンドルをスライドさせるとゲージが上昇するというルール。



とまぁこの動画を見れば売れなかった理由も「みなまで言うなわかってるよ!」っていう感じなのですが、続編の「RAVE MASTER」になると1ボタン(6ボタンを集約)と4方向レバーで、動くセンサーにあわせて、ボタンは押し、レバーは同一方向に動かす。と一瞬親切に思えますが難易度が上がるほどボタンを叩く回数が増える、傍から見ると訳がわからない光景になり、ちゃさい基板性能も手伝い、コナミの訴訟によって一瞬で闇に葬られたのでした。
私からすれば…というか、当時のほぼすべての音ゲーマー「複雑すぎるインターフェイス」「ちゃさいエフェクト」などなど、しまいには「訴えなくても勝手に消滅するから大丈夫だよ!」と思っていたのですがね。
それを皮切りに、選曲はいいのに画面インターフェイスが判り難いせいで、やっぱり一瞬で馬郡に消えた「ステッピングステージ」をリリースします。よせばいいのに。



そして第3弾ついに今回のタイトルであるロックンシリーズをリリースします。
このロックンシリーズは通常の一人で遊ぶタイトルと、2人で遊べるメガセッションの2ライン展開がされており、今回は案の定出回らず一作で終わったメガセッションにスポットを当ててみたいと思います。


まず、何も言わずにこれだけを見てください。

チラシ コンパネ

ほら!もう最初の時点で流れ出る微妙な空気。右側の写真がコントロールパネルになります。左側が1P側です。
赤いのはピックレバー。横の四角のボタンが「決定」「カーソル上移動」「カーソル下移動」で足元にあるペダルを右足で上から踏みつける形です。
この操作系統だけ見ても、演奏感という部分において少々苦しい所があるのですが、この不安が現実となるのが、この後のセレクト画面です。

楽器セレクト

お気付きいただけましたか?ギター・ベースはいいのですが、キーボードがピックという点にあまりにも違和感を持たざるを得ません。
バイキング形式の食事の席で、あれもこれもと取ってるうちに、訳が分からない品性も感性も欠けたプレートが完成するあの感じ。
この例えが一番しっくりとくるような気がします。
では、少々順番は前後してますが、遊び方説明の画面を見てみましょう。

操作説明1 操作説明2 操作説明3
操作説明4 操作説明5 操作説明6
操作説明7 操作説明8 操作説明9

手足別々の動きが要求されるので、慣れるまで少々難しいと思いますが、ご安心ください。
本番はもっと難しいです。


実際にプレイしてみましょう。

モードセレクト

LIVEがいわゆるコナミ音ゲーでいうノンストップとか、エキスパートコースの類です。通常はNORMALで問題ありません。
ああ。念のために申し上げますと、テストモードの項目にステージ数の変更なんて生易しいものは用意されておりません。ご安心ください。
むしろ、テストモードでゲーム中の音楽が聴ける事のほうがどうなんだ。
あ。これ二人だと、LIVEモードがゲージ共有なので注意してください。

楽曲選択

で、これが楽曲セレクト画面最大で難易度5なのですが、オブジェを見やすくするオプションといった類はシリーズ通して何一つありませんので、うかつにゆっくり目の曲を選びますと、演奏の時に泣きを見る羽目になります。


実際のゲーム画面

ゲーム画面1 ゲーム画面2 ゲーム画面3
ゲーム画面4 ゲーム画面5 ゲーム画面6

ご覧の通り肝心のノートが降ってくるか所に目障りなムービーが流れるので見難いことこの上ありません。おまけに結構判定が厳しいので、ちょっとのミスでもすぐにゲージやランクが下がる鬼畜仕様です。
一応三曲目をA判定で終わらせればEXTRAに行けるのですが、1回のミスからのほころびが起こりやすいゲームなので、筐体上部モニターの歌詞が流れる所+キャラクターが動くところを眺める暇はありません。
で、EXTRAをクリアすると、めでたくスタッフロールが迎えられます。
あくまで私の感想としては選曲は良いと思うのですが、まずプレイ画面がとにかく見辛い。そして微妙なズレが認識しにくいです。99年なので当時ですと「ビートマニア」はハイスピードオプションを搭載していましたが、JALECOの音ゲーはとうとう最後まで、画面を見やすくするどころか、「鬼」とか「神」とか無駄な高難易度化路線に走り、不時着しました。最終作「Rock'n4」は、案の定ロケテで不時着。香港の会社(パシフィック・センチュリー・サイバーワークス)に買収された時に開発されたものですから、光の速さでMAME対応。というか「Rock'n4」はMAMEでしか遊べません。
まぁ、MAMEでもやるかどうかと言われると、はっきり言って時間と容量の無駄。なので、もっと別な物を落とすなり、Steamでゲームを買うなりするのが一番だと思います。
結局のところこのゲームの失敗は、視認性と演奏感。そして難易度だと思います。ゲージノルマも見ての通り割と厳しめなので、残念ながらカジュアルな方を呼び込むには至らないという感じですし、キーボードを選ぶと、ピック操作の意味が…。

尚、こぼれ話ですが、JALECOは音楽ゲームを作るにあたり、音楽業界から総スカンを喰っていたのだそうで。
通常の場合は音楽出版会社というところに、「今度自社のゲームで曲を使いたいので許可を下さーい。」と、お伺いを立てることになります。

で、JALECOは何をやらかしていたのか。

お伺いを立てた後、その後の報告一切ナシ!

何の問い合わせもないから音楽出版会社が怪しんで問い合わせすると、

その曲なら続編のゲームで使いましたー!

もちろん契約書には「続編で使っていい」なんて一言も書いていない。
その曲が洋楽だった日には、海外のミュージシャンが怒り狂って日本に殴り込んで来てしまいます。

な、わけで「JALECOから電話が来たら警戒態勢!」というのが音楽業界での合言葉だったとか、どうとか。
ぶっちゃけコナミ音ゲー訴訟の根本原因はJALECOだし、奴らが一つ音ゲー作る度に毎回どこかしらのゲーム会社や関連会社が迷惑こうむってました。
JALECOの音楽ゲームの外注部分についてはほぼ全員「JALECOとだけは二度と仕事しねえ!」と言ったとか言わないとか。
まぁ、最も最終的には2014年5月に親会社であるゲームヤロウ破産に伴い、名実ともに消滅したから、これでいいのか…。
とまぁ、そんなわけで、せりすけフリークでは令和初となる
「MAMEでもプレイする価値はない」という称号を与えたいと思います。
いやー!めでたい!(のか?)
まぁ、一部の酔狂な店が平成の負の遺産という扱いで(何せ地球上に修理部品が存在しないので間に合わせで賄うしかない)動かしているそうなので、
稼働店舗がお近くに存在しているという方は、プレイすれば伝わってくる難易度調整不足感とインターフェースの駄目っぷりと視認性を、是非味わってみてください。

それではこの辺で。ではまた。


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