WAR ZARD

「CPシステムIII基板」の第一作。しかし、対戦格闘と一人用アクションの融合を目指したものの、結果としてどっちつかずな結果だった気がします。

タイトル1 タイトル2 マップ

ゲームタイトル メーカー 使用基板 稼働日
WAR ZARD CAPCOM CPシステムIII 1996年11月21日

対戦格闘と一人用アクションの融合

ゲーム画面1 ゲーム画面2 ゲーム画面3

8方向レバーと6ボタンという操作体系であるのですが、システムがCPU戦と対戦で異なっています。
CPU戦は1ラウンド先取のみで、戦闘後は残り時間などに応じた量だけ体力が回復します。ただし、時間切れの時は体力がどれだけリードしていても必ずプレイヤー側の敗北です。
(対戦時は通常の格闘ゲーム同様、指定セット数を先に取った方が勝利となります。)
敵を倒したり、多段ヒットを決めて宝石を獲得すると経験値が入り、稼いだ経験値に応じてキャラがレベルアップをし、能力が上昇したり、新たな技を習得できるようになっています。


パスワードで続きから…なんですが…

ゲーム画面4 ゲーム画面5 ゲーム画面6

コンテニュー画面や、エンディングのネームエントリー後に一定時間表示される「パスワード」を、次のプレイで入力することで、レベルや獲得した必殺技などの能力を引き継いだ状態でプレイできます。もちろん対戦乱入時も同様です。
しかし元々のCPUがもう2.3ステージ目の段階でかなり強いうえに、後半になるにつれて体力回復量が減少していくため、最初から初めてそのまま1コインクリアを…にせよ、パスワードで続きから…にせよ、SNKもビックリな超絶パターン化せざるを得ない状況になります。
更にある程度レベルが上がると、それに比例するかのようにCPUの体力ゲージが増大し強くなるという仕様のため、成長による強化のわりには難易度は低下せず、キャラの成長の実感がしにくいというトンデモ状況に。
おまけに一部の技は「一定レベルになる前に一定回数の対戦をこなさないと覚えない(後から対戦を重ねても手遅れ)」と言う、育てていたキャラによっては最初から…という行為を要求されます。
結果として、あちこちのゲーセンで各キャラの最強パスワードが出回り、結果それが筐体に貼られてしまうという、成長システムの存在意義が全くない状態になってしまいました。


でもここまでグラフィックに気合を入れて、更に処理落ちもしないのはお見事としか

ゲーム画面7 ゲーム画面8 ゲーム画面9

全身から巨大な武器を取り出すムクロや、魔法や必殺技を使っての細かな動きが特徴のタバサ(魔法)とタオ(必殺技)。
装備した武器に応じてグラフィックが変わる主人公のレオ。
後に「カプコンファイティングJam」に登場する巨大なモンスターのハウザーやヌール達も激しく動いているのですが、処理落ち、グラフィック欠けなどはほとんど発生しない素晴らしい出来でした。
そしてこのゲーム。カプコン恒例のマルチエンディングを搭載し、コンテニューした回数でスタッフロールも変わるという仕様。
これが「龍虎の拳1」とかの頃の時代だったら受け入れられていたのかもしれないなぁ…という感想しか出てこないですね。私としては。


まとめ

ゲーム画面13 ゲーム画面10

美麗なドットとファンタジー世界観の完成度は今も昔も高かったのですが、当時も今もプレイヤー・オペレーターの評価は散々なもので、「CPシステムIII第1段」の文字も空しく、早期稼働終了という状態でした。
やはり原因は96年と言う時代に92.93年のCPU戦重視でかつアクションゲームに近い仕様にしてしまったのが一番だと思います。
そして「ネオジオバトルコロシアム」でも話しましたが、CPU戦と対戦でルールが違うというのも、大減点対象。
ただでさえ、キャラクターも4人と少ないのに、対戦をしにくい仕様など等。
ここから、後の「STREET FIGHTERIII 3rd STRIKE-Fight for the Future-」まで。長い暗黒の道を辿って行く事となります。
しかしその特徴的な衣服や武器やキャラクターは、モンスターハンターシリーズにてある程度再現されていたり、他作品で救済と言う形で足跡は残しております。


テストモード

ゲーム画面11 ゲーム画面12

デフォルトの設定は1枚目なんですが、ぶっちゃけ難度2にしてもかなり厳しいです。
なので、1コイン2クレジット設定と併用で稼働するのが宜しいかと思います。


戻る

ページトップ